ブラジルのサイバー犯罪組織による初の「クロスプラットフォーム・マルウェア」が拡散

『Security Affairs』

April 18, 2016 12:30
by 『Security Affairs』

Macで初めて確認されたランサムウェア「KeRanger」。BitTorrentクライアント「Transmission」を配布するサイトを攻撃者が書き換え、2016年3月4日にアップデートしたバージョンv2.90はKeRangerに感染したものにすり替えた。このKeRangerとこれらの新種のランサムウェアファミリーについて、ネットワークセキュリティベンダーであるPaloAlto Networksのセキュリティ研究者が詳細を明らかにした。

また、Kaspersky Labの研究者も新種のマルウェアファミリーを発見した。このマルウェアはJAR Java実行ファイルとして配布されており、悪意のあるコードが特別な条件下でMacやLinux、Windows、そしてAndroidデバイス上でさえ動作することができる。

マルウェアの作者は、悪意あるコードをJARファイルとしてパックすることにより、クロスプラットフォームマルウェアを作り出している。もちろんコードを実行するためには、Javaランタイム(JRE)が標的のマシンにインストールされている必要がある。

ブラジルの開発者たちが気付いているように、Javaは全世界で70〜80%のマシンにインストールされている。「ブラジルのTrojan Banker(バンク用トロイの木馬=オンラインバンクやペイパルアカウントを盗むことを目的としたプログラムの総称)プログラマーは現在、Windowsだけでなく全てのプラットフォームで動作するトロイの木馬を作成している」とKaspersky Labのサイバー脅威専門家 Dmitry Bestuzhev氏は述べた

「Javaがインストールされていれば、JARファイルはWindowsであろうとOS X、Linuxであろうと起動するからだ。これは、ブラジルのサイバー犯罪者の『クロスプラットフォームに』向けた本当に最初の一歩なのだ」

Kaspersky Labの専門家は、ブラジルの犯罪アンダーグラウンドはクロスプラットフォーム・マルウェア開発の先駆者であると指摘する。またこのマルウェア研究者は、このような新しい脅威はブラジルの特異的な集団の成長によって生じたものであると指摘する。

Kaspersky Labは悪意あるJARファイルや、添付ファイルとして送信されたアーカイブ内の設置されていJARファイルを配信する複数のスパムキャンペーンを発見している。これらのキャンペーンでは、主にTrojan-Banker.Java.AgentやTrojan-Downloader.Java.Banload、Trojan-Downloader.Java.Agenといった悪意のあるコードを拡散しようとしていた。これらは銀行をターゲットとしたトロイの木馬である。

感染の大部分はブラジルで見られ、中国とドイツが後に続く。

これらのキャンペーンに用心しなければならない別の理由は、クロスプラットフォームマルウェアは気付かれにくく、検知率が低いということだ。これらのドロッパーはコードのほんの一部であり、悪質な機能は限定的だ。この理由から、クロスプラットフォームマルウェアは容易に検知を回避し、感染させたマシンに別のマルウェアをダウンロードすることができるのだ。

Kapserskyの専門家は、現時点でブラジルのプログラマーがマルチOSで動くマルウェアを開発しており、古いバンクマルウェアを拡散されているために使用されていると強調する。しかし、バンク用トロイの木馬が圧縮されたクロスプラットフォームJARは開発中であると彼らは考えている。

Kaspersky Labのサイバー脅威研究者Dmitry Bestuzhev氏が説明するように、これは時間の問題だけなのかもしれない。
「ブラジルのプログラマーは、ドロッパーからトロイまで全ての機能を持ちJARだけで動作する銀行マルウェアをリリースするのだろうか?」「彼らがやらないと考える理由はどこにもない。彼らは始めたばかりだが、止まらないだろう」と彼は記事で述べている。
 
翻訳:編集部
原文:Brazilian underground is the first in spreading cross-platform malware
※本記事は『SecurityAffairs』の許諾のもと日本向けに翻訳・編集したものです。




ハッカーの系譜(10)マービン・ミンスキー (10) 多層化することで問題を解決

March 30, 2017 08:00

by 牧野武文

多層化することでXOR問題を乗り越えられる パーセプトロンの第1の進化は多層化だ。ミンスキーが指摘したように、パーセプトロンはXORの論理演算結果を学習することができない。前回示したように、XORの演算結果は線形分離不可能、つまり直線で真と偽のグループにわけることができないからだ。 しかし、実はちょ…

POSマルウェアの恐怖 (4) クレジットカード番号が顧客番号や業務処理のキーとして活用される

March 29, 2017 08:00

by 牧野武文

  ・POSマルウェアの恐怖(1) PCI DSSに準拠しても防げない? 狙われるPOSシステム ・POSマルウェアの恐怖(2) カード情報が平文で通信されるシステム ・POSマルウェアの恐怖(3) カード情報を全プロセスで暗号化する「PCI P2PE」はPOSマルウェア攻撃を防げるか POSレジを…

IoTヌイグルミは口が軽い!? ユーザー情報82万件がダダ漏れに(後編)

March 28, 2017 08:00

by 江添 佳代子

  →IoTヌイグルミは口が軽い!? ユーザー情報82万件がダダ漏れに(前編) →IoTヌイグルミは口が軽い!? ユーザー情報82万件がダダ漏れに(中編) 何も知らされていなかったユーザー ここでいったん時系列を確認しよう。ハントやロレンゾに情報を提供した人物がCloudPetsへの連絡を試みたのは…

中国で9億アカウントが利用する「WiFi万能鍵」が1308種類の偽アプリを一掃

March 27, 2017 10:30

by 牧野武文

『中国経済網』の報道によると、中国で大人気のアプリ「WiFi万能鍵」を開発した上海連尚科技有限公司は、今年3月までに、1308種類の偽アプリを一掃したと発表した。 アカウント数9億件を超える無線LANユーティリティーソフト WiFi万能鍵は、公衆無線LANに自動接続するAndroid・iOSアプリ。…